麻酔科ででてきた知らない言葉を調べました。
rSO2とは
rSO2はregional oxygen saturationのことで日本語では局所脳酸素飽和度と言います。臨床では「インボス」とも呼ばれていました。調べてみるとrSO2の測定には近赤外線分光法(near infrared spectroscopy: NIRS)を使用し、NIRSにINVOS(In Vivo Optical Spectroscopy:Somanetics社[米国])が使われているからのようである。左右でそれぞれ測定します。正常値は50~70程度といわれており個人差が大きい(下の原理参照)。
NIRSは他にNIRO(浜松ホトニクス[浜松、日本])も使用されている。
原理
生体を透過し易い近赤外線を用いて、光が通過した距離と減弱した程度から、その間にあるヘモグロビンの濃度を求めることができます。この原理を利用して近赤外線を投射し、頭蓋骨と脳組織を通過した光を解析して脳組織の酸素飽和度を求めます。主に静脈血を反映しているといわれ、様々な組織を通過することと散乱の影響で数値は低くなり、個人差が大きい。
おまけ
INVOSの測定値が40%を割ると神経障害の危険性が高くなる。このような場合、
- 送血量を増やす
- 昇圧剤を用いて灌流圧を高くする
さらに
- PaCO2蓄積により脳血管を拡張させる
などといった方法で脳血流量の増加を図る。あるいは
- 輸血により酸素運搬能を改善する
ことにより神経障害を回避出来ることが示されている。
参考
山口大学大学院医学系研究科 医学専攻 麻酔・蘇生学講座
山口大学大学院医学系研究科 医学専攻 麻酔・蘇生学講座ウェブサイト
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/34/7/34_891/_pdf/-char/ja
コメント