pseudo-SAH とは?

医学用語

pseudo-SAHとは

皆さんは”pseudo-SAH”というのをご存知でしょうか。

第4回 くも膜下出血と間違えるな! ~知っておきたい“pseudo-SAH”~ レジデントノート 2011 / 3 p2830

このCTです。シルビウス裂や脳溝などのくも膜下腔に高吸収域を認め、まるでくも膜下出血のように見えます。

CTやMRIでくも膜下出血と見た画像所見を呈する場合があり、それをpseudo-SAHと呼びます。

pseudo-SAHを呈する疾患

羅列すると、

  • 低酸素脳症
  • 両側硬膜下血腫
  • 小脳梗塞
  • 脳炎
  • 血管炎
  • 大脳膠腫病
  • 低髄圧症候群
  • 化膿性髄膜炎
  • 造影剤投与後

などで起こります。

pseudo-SAHの機序

まず、くも膜下(くも膜と軟膜の間)の濃度が何らかの機序で上昇したものがpseudo-SAHと言えます。

脳実質(軟膜の下)は内頸動脈支配、軟膜は内頸動脈と外頸動脈支配の境界領域になります。軟膜の静脈は脳実質の方へ戻ろうとする流れもあるが、脳実質が腫脹していると静脈血が戻りにくく軟膜静脈が拡張します。静脈内の血液は脳脊髄液や脳実質よりも濃度(CT値)が高いのでくも膜下腔が高吸収域を示しているように見えるのが理由の1つと考えられています。

pseudo-SAHと真のSAHとの見分け方

1.真のくも膜下出血のCT値は約60-70 HU、pseudo-SAHでは約30-40 HU程度のことが多い。

2.pseudo-SAHは一般にびまん性で左右対称。

3.脳浮腫が原因のpseudo-SAHでは皮髄境界が不明瞭化していることが多い。

4.(静脈拡張が原因の)pseudo-SAHでは造影効果を有する。

第4回 くも膜下出血と間違えるな! ~知っておきたい“pseudo-SAH”~ レジデントノート 2011 / 3 p2833

経験した症例

55歳 女性

数日前から風邪症状を認め、その後腹痛、背部痛も出現。さらに数日後嘔吐、下痢、下腹部症状を認め救急要請。搬送中にCPAとなり蘇生開始後ROSCし、搬送されてきました。

CT検査をし上の画像のような所見がありました。その後脈なしVTが出現しDCを繰り返しましたが治療の甲斐なくお亡くなりになってしまいました。

この経過だとくも膜下出血っぽくはないですね。

心筋生検の結果、心筋炎と診断されました。心筋炎で起きたVTによる低酸素脳症が原因でPseudo SAHをきたしたと考えられます。

参考文献

第4回 くも膜下出血と間違えるな! ~知っておきたい“pseudo-SAH”~ レジデントノート 2011 / 3 pp2830-2837

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