Bain回路

医学用語

麻酔科でできた知らない用語をまとめました。

Bain回路は小児の麻酔時に経験しました。

構造

  Bain回路は外側が直径約22mmで、長さは約150cmの半透明プラスチック製蛇管型の管 でこの中に直径約7mmの小さな管がセットしてある。酸素と麻酔ガスはこの小さな管の中を通って患者に運ばれ、呼出ガスはこの小さな管の外側を通って排出される構造になっているので別名Double Rumen Anesthetic circuit、Tube in Tube Anaesthetic circuitなどと呼ばれていてマプレソンの分類ではD型の変法にあたる。マプレソンの分類はここではあんまり関係ないのでググってください笑

 Bain回路は直線型の回路であり遠位端に呼吸バッグを装置する。その少し近位部で外側管の1か所から内側管が挿入され、これが近位端まで延び、この位置で内側管の外側と外側管の内側とが3点で支持され、内側管と外側管が交通できるようになっている。近位端は患者側で、これにマスクや気管チューブを接続する。

新鮮ガス(酸素や麻酔ガス)は遠位部で内側管の開口部から送り込まれる。

吸気時には、内側管を通して新鮮ガスが吸入され、同時に外側管からはすでに呼出されて呼吸バッグや外側管内に停滞している呼気を、再吸気する。

呼気時には、気管チューブなどを経て呼気が外側管へ呼出され、同時に内側管から送り込まれている新鮮ガスも呼気と一緒に外側管へ逆流し、さらに呼吸バッグの開放コックを経てこれらは外気へ排出される。

本回路を用いて麻酔する場合、麻酔器との間に特殊な接続器具が必要である。

利点

1. 麻酔中の自然抜管防止。

Bain回路は複腔式で軽量プラスチック製の1本の呼吸管であるため、挿管された気管チューブにかかる重さを軽減できる。

2. 呼吸抵抗の減少

 Bain回路内には弁が全くないので呼吸抵抗が少ない。さらに往復式や閉鎖循環式吸入麻酔では必須であるCO2吸収装置はBain回路では不要で、呼吸抵抗はさらに少なく、死腔も少ない。この回路は部分的な再呼吸式である。

3. 気管の保護

 内側管を通過する新鮮ガスは外側管内の呼気で暖められ、また吸気はこの暖められた新鮮ガスと湿度を保存している呼気の一部の再吸入とからなっているため、気管を痛めることが少なく、水分と体温の保持に役立っている。

4. 低酸素症の回避

フレッシュガス流量(FGF)を調節することによって、大きな換気量による調節呼吸時にしぼしばみられる高度の低酸素症(hypocarbia)が避けられる。フレッシュガス流量を調節することによって患者の動脈中のCO2レベルを正常に保持することが可能である。

小児にこの回路で麻酔をかけるとこのようなメリットがあります。

おまけ

 フレッシュガス流量を多くすれば、再呼吸される呼気の量は少なく、新鮮ガス流量を少なくすれば再呼吸される呼気の量は多くなる。

 呼吸バッグが直線型回路の遠位端に装置してあるので呼吸の監視が他の回路と比べると非常に容易で、また呼気の外気への排出が、術者よりかなり離れた位置の呼吸バッグからなされるので、余剰麻酔ガスの処理がやり易く人体への影響を著しく軽減できる。

 短所は、長時間使用したときに、回路内に水分がたまることである。

参考

少しソースは古いですが、こちらを参考にしました

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvas1970/17/1/17_1_61/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma1939/38/5/38_5_549/_pdf

https://hospital.city.sendai.jp/pdf/p003-011%203-2.pdf#search=%27小児+回路+麻酔%27


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