脳脊髄液ドレナージ

医学用語

この言葉は心臓外科の胸腹部大動脈瘤の人工血管置換術で勉強しました。ここでは麻酔管理時についてまとめます。

目的

一般的な目的は

  1. 髄液の通過障害や吸収障害をきたし水頭症を起こす危険性がある場合に頭蓋内圧を亢進させないよう脳脊髄液(CSF)を体外に流出させ減圧を計るため
  2. 脳脊髄液を採取し細胞数や培養などの検査を行うため
  3. 薬剤を注入し治療を行うため

などです。

胸腹部大動脈瘤での目的

胸腹部大動脈瘤での目的はCSF圧の上昇防止のためです。

手術操作がT8以下に及ぶ場合、術前に脳脊髄液ドレナージを行います。理由は脊髄前側を灌流するAdamkiewicz動脈が多くの症例でT8以下の肋間動脈あるいは上部腰動脈に起始するからです。

Adamkiewicz動脈などの脊髄灌流を担う動脈が手術中に障害されると、脊髄虚血が引き起こされます。脊髄虚血は浮腫を招きCSF圧が高くなります。また、胸部大動脈遮断でCSF圧が10-15mmHg程度上昇します。

脊髄の血液灌流圧は脳の場合と同様CSF圧の上昇によって障害を受けます。

通常

「脊髄還流圧=平均動脈圧-中心動脈圧(CVP)」

であるが、CSF圧がCVPより高くなると

「脊髄還流圧=平均動脈圧-CSF圧」

となってしまいます。したがって、CSFドレナージを行なってCSF圧の上昇を予防すれば脊髄の虚血性障害を軽減できます。

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