新型コロナウイルス感染症

時事ニュース

新型コロナについて調べました。

COVID-19やSARS-CoV-2などの用語があり紛らわしいので整理してみました。

思っていたよりひどい状況になってしまったので早く収束するのを祈ってます。

COVID-19、SARS-CoV-2

COVID-19:COVIDはCorona VIrus Diseaseの大文字部分から取り、19は2019年に報告されたのが由来だそうです。これは疾患名となります。読み方は「コビット-ナインティーン」です。

SARS-CoV-2:Severe Acute Respiratory Syndrome CoronaVirus 2の略です。これはウイルス名です。1本鎖RNAを持ちます。読み方は「サーズ-シーオーブイツー」です。ちなみにSARS(重症急性呼吸器症候群)という疾患が2002年ごろ流行りましたが、そのウイルスがSARS-CoVでこちらもコロナウイルスです。

Corona VIrusの種類

ヒトに感染するコロナウイルスは大きく分けると3つに分けられます。今回これにSARS-CoV-2が加わるものと思われます。

1. 風邪のコロナウイルス(HCoV)

Human Coronavirusの略です。HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1の4種類あります。229E、OC43、NL63、HKU1の略?意味?を一時間以上ググりましたが結局わかりませんでした。知っている人教えてください。

2.重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)

Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus の略でSARS(重症急性呼吸器症候群)を引き起こします。

3.中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)

Middle East Respiratory Syndrome Coronavirusの略でMERS(中東呼吸器症候群)を引き起こします。

Corona VIrusのウイルス学的特徴

電子顕微鏡で観察されるコロナウイルスは、直径約100nmの球形で、表面には突起が見られる。形態が王冠“crown”に似ていることからギリシャ語で王冠を意味する“corona”という名前が付けられた。ウイルス学的には、ニドウイルス目・コロナウイルス亜科・コロナウイルス科に分類される。脂質二重膜のエンベロープの中にNucleocapsid(N)蛋白に巻きついたプラス鎖の一本鎖RNAのゲノムがあり、エンベロープ表面にはSpike(S)蛋白、Envelope(E)蛋白、Membrane(M)蛋白が配置されている(図1)

 (図1)

NIID 国立感染症研究所 コロナウイルスとは

ちなみに第4群(1本鎖RNA +鎖)に分類されるそうです。

遺伝学的特徴からα、β、γ、δのグループに分類されます。

  • α coronavIrus:HCoV-229E、HCoV-NL63など
  • β coronavIrus:HCoV-OC43、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoV、SARS-CoV-2など

症状

 最近、中国の湖北省のCOVID-19患者38人中12人に結膜炎症状が見られ、2人の患者では鼻汁と涙液中に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が見つかりました。初期症状として「結膜炎」が多く見られ、涙を介して感染が広がる可能性があると報告されました。[1]

軽症例:咽頭痛、咳嗽、鼻汁、微熱、倦怠感、味覚障害、嗅覚障害、筋肉痛、消化器症状(嘔吐、下痢)、結膜炎

重症例:呼吸苦、肺炎、発熱

検査所見:白血球減少、リンパ球減少、CRP高値、プロカルシトニン高値、LDH高値、AST高値、ALT高値、T-Bil高値、D-ダイマー高値、クレアチニン高値)、胸部X線所見異常[2]

などが報告されています。

なお中国のCOVID-19入院患者の1590例で発症時に多く見られた症状は、発熱(87.5%)、咳嗽(77.1%)、呼吸困難(74.0%)でした。[2]

増悪因子

中国のCOVID-19入院患者1590例を対象に、死亡予測因子を検討しました。対象患者のうち、50例が1月31日までに死亡した。死亡例の年齢中央値は69歳、50例中13例が男性だったそうです。

35例(70%)に1つ以上の併存疾患がありました。[2]

  • 高血圧56%
  • 糖尿病26%
  • 冠動脈心疾患16.0%
  • 脳血管疾患12%
  • 慢性閉塞性肺疾患12%
  • 腎臓病10%

効果が期待されている治療薬

1.ファビピラビル(アビガン®):抗インフルエンザウイルス薬

抗インフルエンザウイルス薬として製造販売している薬剤であり、ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することでウイルスの増殖を防ぐという機序です。[3]新型コロナウイルスもRNAウイルスであり効果が期待されているそうです。ちなみに日本の富士フィルム/富山化学が製造しています!

2.イベルメクチン:駆虫薬

もともと抗寄生虫薬で、無脊椎動物の神経・筋細胞のシグナル伝達物質である塩化物イオン(Cl)の通り道であるClチャネルに結合し細胞の過分極がおこって寄生虫が麻痺を起こすことが機序とされています。[4]今回はこの作用とは関係ないです。

イベルメクチンの他の作用として、細胞質のタンパク質を核内へ運ぶ分子インポーチンと結合して核内移行を抑制する作用があると考えられ、その結果ウイルスタンパクの核内移行が阻害され、ウイルス増殖を低下させているのではないかということらしいです。[5]

オール・アバウト・サイエンス・ジャパンというサイトにもっと詳しく載っていましたが難しすぎてわかりませんでした..

3.レムデシビル:エボラ出血熱治療薬

もともと米国のGilead社がエボラ出血熱治療薬として開発していたそうです。作用機序はウイルスのRNAポリメラーゼを阻害すると考えられますが、同社は詳細を明らかにしていません。[3]

4.カレトラ(リトナビルとロピナビルの合剤):HIV感染症治療薬

米国のAbbvie社の製造している薬です。機序は、ロピナビルはHIVのプロテアーゼ活性を阻害して感染性のある成熟したHIVの産生を抑制し、リトナビルは薬物代謝酵素であるシトクロムP450(CYP)3Aによるロピナビルの代謝を阻害し血中濃度を上昇させる働きがあるそうです。[6]

このプロテアーゼ阻害作用が効いてるのではないかということらしいです。

5.シクレソニド(オルベスコ®):気管支喘息治療薬

もtもと吸入ステロイドで、気道の炎症を抑え、咳の発作を予防する薬です。

国立感染症研究所のコロナウイルス研究室から強い抗ウイルス作用を有することが紹介されました。機序としてはシクレソニドの抗ウイルス作用と抗炎症作用が重症化しつつある肺傷害を改善すると推定されます。[7]

なお、現時点では同薬以外の吸入ステロイドに同じような作用は認められていないそうです。そんなことあるんですね。

6.ナファモスタット(フサン®):膵炎治療薬

セリンプロテアーゼ阻害薬の一つであり抗凝固薬に分類されます。蛋白分解酵素阻害薬です。

機序としてはSARS-CoV-2の感染の最初の段階であるウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入を阻止すると推定されています。[8]

7.トシリズマブ(アクテムラ®):関節リウマチ治療薬

生物学的製剤であり、抗ヒトインターロイキン6モノクローナル抗体製剤です。IL-6は炎症に関与するサイトカインで関節リウマチでは体内で過剰に作られ、炎症に由来する様々な症状を引き起こしています。IL-6が受容体に結合するのをブロックすることで炎症に由来する様々な症状を抑えます。[9]

トシリズマブに抗ウイルス効果はないですが、COVID感染に伴い生じるIL-6を中心としたサイトカインストームへの効果を期待されているそうです。

8.クロロキン・ハイドロキシクロロキン:抗マラリア薬、SLE

クロロキンは抗マラリア薬です。機序なかなかググっても出てこなかったのですが、やっと見つけました!

マラリア原虫はヒトの赤血球内に侵入し、ヘモグロビン等を消化胞と言われる細胞内器官に取り込んで栄養としています。消化胞内に取り込まれたヘモグロビンは分解されて、アミノ酸になり、マラリア原虫の細胞質に運び出されて利用されます。一方、ヘモグロビンに含まれる有毒なヘムは無毒なものへ変換されます。クロロキンはヘムの無毒化を阻害する事で、消化胞内に有毒なヘムを蓄積させて、細胞毒性を発揮するとされています。

岡山大学 マラリア原虫の薬剤耐性タンパク質の働きを世界で初めて解明

作用機序はヘム毒性ということですね。関係ないですけどリンク先のマラリアの薬剤耐性タンパク質の働き解明って凄いですね。

ヒドロキシクロロキンはSLE患者さんに使用したので馴染みがあります。こちらも作用機序は解明されたわけではないようですが、リソソーム内へヒドロキシクロロキンの蓄積によるpHの変化とそれに伴うリソソーム内の種々の機能の抑制が関与しているものと推定されています。[10]

COVID-19に対しては抗炎症作用や免疫調節作用が作用していると思われる。

ウイルスを殺すのではなく、感染が原因で免疫系の制御が効かなくなる「サイトカインストーム」に作用する可能性がある。[11]

参考

International Committee on Taxonomy of Viruses (ICTV)
コロナウイルスとは
【新型コロナウイルスの疑問】WHOのパンデミックとは?正式名称はなに?TDRも休園延長!予防や対策も! | 家電小ネタ帳 | 株式会社ノジマ サポートサイト
Photo by Free To Use Sounds on Unsplash 目次 新型コロナウイルス WHOが緊急事態宣言 WHOがパンデミックを表明 コロナの影響による自粛・働き方 コロナの影響による混乱 感染したかも? 新型コロナウイルス感染症情報 厚生労働省 LINE公式アカウント開設 東京都感染症予防センタ...

[1]Wu P, et al. Characteristics of Ocular Findings of Patients With Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in Hubei Province, China. JAMA Ophthalmol. 2020 Mar 31.

[2]Chen R, et al. Risk factors of fatal outcome in hospitalized subjects with coronavirus disease 2019 from a nationwide analysis in China. Chest. 2020 Apr 15.

[3]“新型コロナの有望薬「アビガン」「レムデシビル」ってどんな薬?”.日経ビジネス. https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/022601110/

[4]“駆虫薬(イベルメクチン)の解説”. 日経メディカル. https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/article/56133a775595b3d40b7965e1.html

[5]“抗寄生虫薬イベルメクチンが新型コロナウイルスに効果がある理由”.オール・アバウト・サイエンス・ジャパン. https://aasj.jp/news/watch/12749

[6]”新型コロナ治療薬、レムデシビルの治験は「4月に結果が得られる」”.日経バイオテク. https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/02/28/06623/

[7]岩渕 敬介ら(2020)「COVID-19 肺炎初期~中期にシクレソニド吸入を使用し改善した3例」http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200302_02.pdf

[8]“新型コロナウイルス感染初期のウイルス侵入過程を阻止、効率的感染阻害の可能性がある薬剤を同定”. 東京大学医科学研究所. https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00060.html

[9]“アクテムラ”.東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター. http://www.twmu.ac.jp/IOR/diagnosis/ra/medication/biologics/actemra.html

[10]プラケニル添付文書.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3999038F1029_1_03/

[11]“新型コロナウイルス(COVID-19)への対応について”.一般社団法人 日本リウマチ学会. https://www.ryumachi-jp.com/information/medical/covid-19/

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