心筋保護液

医学用語

 心筋保護液とはそのまんま心筋を保護する液です笑

 具体的にどういう時に使うかというと、人工心肺装置(CPB:cardio-pulmonary bypass)を使う時などです。

     ※人工心肺装置とは、心肺機能の一部を代行する医療機器のこと。

目的

 心筋保護液注入の目的は

  • 心臓を停止させて手術操作を容易にする
  • 心停止中の心筋保護

である。

組成

 組成は施設や外科医の好みによって多少異なるが基本は

  • 高濃度カリウム(拡張期心停止を速やかにもたらす)

である。さらに

  • 酸塩基平衡を維持するための緩衝物質(THAMあるいは炭酸水素ナトリウム)
  • マグネシウムやキレート剤(カルシウム過負荷による心筋障害予防)
  • マンニトール(心筋の浮腫を軽減する目的)

などが添加されることがある。

重要なこと

 拡張期心停止により心筋酸素消費は正常に約8分の1まで減少し、心筋は虚血に際して障害を受け難くなる。

 心筋保護に有効であるのは心筋の冷却である。心筋の酸素消費量は温度が10度下がるごとに50%減少すると言われています。冷却とともに重要なのは拡張期心停止に必要な局所条件を維持することである(必要なカリウム濃度を維持しながら嫌気性代謝産物を洗い流す目的で心筋保護液の追加投与をする)。つまり心筋保護の重要な要件は、

心筋の隅々まで心筋保護液を還流させること

である。

工夫

心筋保護液を心筋の隅々までに確実に還流させるための工夫は

1.吻合の終了したグラフトを介して心筋保護液を追加投与

狭窄あるいは閉塞した冠動脈の抹消を心筋保護液で十分灌流することが出来る。

2. 逆行性心筋保護

右房に切開を加え、先端に還流圧に応じて拡張するバルーンのついた特殊なカニューレを冠静脈洞へ挿入しそれを通して静脈内に心筋保護液を注入する(逆行性心筋保護)。非生理的だが順行性と異なり術野に血液があふれることも少ないので持続投与をしても手術操作に支障が少ない。

などがある。

hot shot

 hot shotとは心臓外科のOpe時の大動脈遮断解除直前に常温の心筋保護液を逆行性に投与することである。心筋の酸素消費が低い間に代謝基質を補う目的で行われる。心筋細胞内のATPやアミノ酸レベルが保持され、再灌流後の心筋代謝を改善する効果があるといわれている。

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