この参考書はXpの読影を勉強しようと思いネットで検索し評判が良かったので購入しました。
簡単に紹介しようと思います。個人的に役立ったことを書きます。
第一章:読影を始める前に知っておくべきこと
- X線写真の原理
- シルエットサイン
- 読影の手順
- 胸部CTの基礎知識
この章は上の項目で構成されています。撮影方向による像の違い、読影の手順、CTの動脈相と静脈相で見るべきポイントは参考になりました。
第二章:胸部X線写真のどこを見るのか
- 骨・軟部陰影
- 縦隔陰影
- 横隔膜
- 肺野
- 異常と紛らわしい正常像
- 挿入されたチューブ類
上の項目で構成されています。それぞれの項目で見るべきポイントがまとめられています。細かくまとめられているので、読むのは大変ですが第一章を理解しているとスッと内容が入ってきます。
肋骨の数え方、横隔膜が挙上する病態、傍気管支線、A-P window、リンパ液の流れ、陰影の辺縁、毛髪線など国家試験では気にしないで読影していたものや知らない用語もあったので勉強になりました。
第三章:X線で黒くなる病態と白くなる病態
- 黒くなる病態 ①肺嚢胞
- 黒くなる病態 ②肺気腫
- 黒くなる病態 ③気胸
- 白くなる病態 ①胸水
- 白くなる病態 ②腫瘤影
- 白くなる病態 ③無気肺
- 白くなる病態 ④consolidation
- 白くなる病態 ⑤すりガラス影
- 白と黒が混在する病態
上の項目で構成されています。それぞれの病態について文章と写真で説明しています。
気腫と嚢胞の見え方の違い、イレウス時のniveauの出現の機序、肺下胸水、被包化胸水、葉間胸水、Xpで見える肺の構造、air brouchogram、consolidationとすりガラス影の違い、牽引性気管支拡張、間質性肺炎(UIP、NSIP、OP、CPFE)は参考になりました。間質性肺炎の分類のところは国試の内容以上で少し難しいですが、このくらいは研修医も知っておくべきなのかなあと思いました。
第四章:胸部CTで見えるもの
- 正常CTの見方
- 小葉の構造を詳しく見る
- 小葉が侵されるとどうなるか
上の項目で構成されています。小葉のどこを肺動脈、肺静脈、細気管支、リンパ管が通っているか、狭義の間質と広義の間質の違いは第五章を理解する上で重要です。
第五章:CTが飛び飛びに白くなる病態
- 小葉中心性粒状影
- 小葉中心部、辺縁部に存在する粒状影
- ランダム分布の粒状影
- 限局性すりガラス影
- 気管支拡張像
上の項目で構成されています。粒状影、結節影、腫瘤影の定義、小葉中心性粒状影をきたす疾患、空洞形成の機序、CT angiogram sign、halo sign、限局性すりガラス影(GCO:国試にも出題;107E53, 110I11)、extrapleural sign、tram limeなどが参考になりました。
第六章:読影クイズ
初級、中級、上級各5問ずつです。
まとめ
主に胸部Xpの読み方についての参考書です。初期研修医でマスターすれば今後何科に行くにしても役立ちそうです!!
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