フロートラックとは
麻酔科で使用しました。エドワーズライフサイエンスという会社が作っているようです。フロートラックセンサーは動脈留置カテーテルと接続して用いる専用のキットです。動脈圧波形情報に基づいて、各種パラメータを連続的に測定することができます。
パラメータ一覧
動脈lineを取ると以下のパラメーター情報が測定できます。
・血圧(BP:Blood Pressure)
収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧の3種類
・脈拍数(PR:Pulse Rate)
心臓が血液を送り出す際に動脈に生じる一分間の拍動数
・心拍出量(CO:Cardiac Output) 正常値 4-8L/min
心臓が1分間に送り出す血液の量(1回拍出量×心拍数)
・心係数(CI:Cardiac Index) 正常値 2.5-4.2L/min/m^2
心拍出量÷体表面積で算出する値
・1回拍出量(SV:Stroke Volume) 正常値 60-100ml/beat
心室が1回の収縮で拍出する量
・1回拍出量係数(SVI:Stroke Volume Index) 正常値 33-47ml/m^2
1回拍出量÷体表面積で算出する値
・1回拍出量変化(SVV:Stroke Volume Variation) 正常値 10-15%
1回拍出量の呼吸性変動を変化率(%)で表した値
・体血管抵抗(SVR:Systemic Vascular Resistance) 正常値 800-1200 dynes• sec/cm^5
左室の拍出に対する抵抗
・体血管抵抗係数 (SVRI:Systemic Vascular Resistance Index) 正常値1970-2390 ynes• sec/cm^5•m^2
体血管抵抗÷体表面積で算出する値
また、CVカテーテルを入れていると、
・上大静脈血酸素飽和度(ScvO2) 正常値 70%以上
が測定できます。
これだけあると混乱しますが、大事だと思われるのは血圧(BP)、脈拍数(PR)、心拍出量(CO)、心係数(Cl)、1回拍出量(SV)、1回拍出量変化(SVV)ですね。
血圧(BP)、脈拍数(PR)は言わずもがな、心拍出量(CO)、心係数(Cl)、1回拍出量(SV)は国試でも知っとくべき知識です。
ここからは1回拍出量変化(SVV)をどう使えばいいのか考えてみます。結論から言うと1回拍出量変化(SVV)は輸液反応性を見ることに有用です。麻酔科ローテーションしている時はSVVを見てました。
輸液反応性(Fluid Responsiveness)
輸液反応性とは心拍出量(CO)や1回拍出量(SV)が減少時に、輸液や輸血などの容量負荷によって心拍数の増加や血行動態の安定が得られるかを知るための指標です。
具体的な使い方は、
COまたはSVが低値
↓
10-15%<SVV →輸液によりCO/SVが増加する可能性大
SVV≦10% →輸液によるCO/SVが増加の可能性低く、強心剤や血管拡張剤の使用を検討
というような感じです。
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